タロットカードの昼と夜

「二律背反性」をテーマにタロットカードの意味を解説していきたいと思います

大アルカナ8番「力」の意味

はじめに

今回のカードは「力」です。

絵が分かりやすい反面メッセージは伝わりにくいカードかもしれません。

タイトルが「力」で、カードにはライオンが書いてありますから、ライオンが力の象徴のようにも思えます。

そして、女性がライオンを手なずけていますから、自分の中にある、力というか暴力的な部分をしっかりとコントロールしましょうといった解釈もできます。

ただ、それだと、ことわざかるたの「短気は損気」のような感じになってしまいます。

果たしてそれでよいのでしょうか。

一言で言うと

私は、このカードに関しては、タロット教科書第1巻の下記の解釈が好きです。

力のカードは、“汝自身を知れ”という格言を表現したものです。

これはその通りなのではないでしょうか。

力という言葉を受けて絵を見るとライオンが書いてありますから、ライオン=力となりそうですが、ライオンは他のカードと同じく、自分の中にある動物的なもの、つまり、本能を表しているのだと思います。

そして、自分の内側にある本能的なもの、欲求的なものをしっかりと認識したうえで、それをコントロールすることで生まれるものが「力」なのでしょう。

暴力という意味での力ではなく、困難を乗り越え、目的を達成するための「力」だと思います。

そういう意味での力というのは、自分をコントロールして初めて発揮できるということを言っているのだと思います。

理性が全てではない

もっとも、理性が全てであり、理性が本能の上位にあるような解釈はしっくりきません。

あくまでアクセル踏みっぱなしではいけないという話であって、理性のブレーキを働かすことは重要ですが、だからといって、アクセルが無ければよいわけではありません。

理性というのは制御することであり、目標に向かう根本的な原動力はあくまで目標達成の欲求ですから、それなくしては何も始まりません。

THE ULTIMATE GUIDE TO THE RIDER WAITE TAROTという本におけるこのカードの解説で、恋愛運/人間関係運のところに下記のような記述があります。

Forget useless ideals and half-hearted activity. Give the Force a new chance.

(勝手訳)
役に立たない理想や燃え上がらない活動は忘れるべき。活力を新しいチャンスに向けよう。

つまり、恋愛の場面では、頭で考えただけの理想の相手を探し求めたり、本能的な部分が燃え上がらないような恋愛はやめた方が良いというアドバイスです。

自分の中にある欲求的な部分をしっかりと認識したうえで、それを感じるに任せて開放するのはもってのほかですが、かといって、それを単に押さえつけるのではなく、理性的にコントロールすることで初めて、困難を乗り越え目的を達成するという意味での、力になるということでしょう。

大事なことは、結局のところ、理性と本能のバランスなわけです。

ありのままで

数年前にディズニー映画の主題歌で、『レット・イット・ゴー ありのままで』という曲が流行りました。

この曲を、単に“ありのままで”、つまり、今のままの自分でよいと解釈する向きもあるようですが、映画のストーリーを考えると、この曲が伝えたいのは、ありのままの自分を否定しても仕方がないということでかと思います。

例えば、日々生きている中で喜怒哀楽いろいろありますが、悩みを伴うのは怒りです。

怒りを感じるとストレスを感じます。しかし、社会人であれば、感じるがままに怒りを表現したり周りにぶつけることは出来ません。

そうはいっても、怒りを抑えて冷静にふるまっても、結局ストレスは溜まります。

ここで、なぜ自分は怒ってしまうのか、つまらないことで怒ってしまう自分を変えたいと、怒る自分自身を否定してしまうと、精神的に自分で自分を追い詰めるだけの結果になります。

自分が怒ったのはなぜか。

それはきっと、自分の中に譲れない価値観があったからです。周りの人間にとっては大したことないから重要視されなかったのですが、自分の中では重要なことだったので、そのズレに対して怒りがわくわけです。

そして、その根底には、自分はある特定の価値観を大事にして生きていきたい、自分にとって重要なことを実現したい、という何らかの欲求があるのです。

その欲求を認識しないで、怒る自分を否定しても何も始まりません。結局どこかで爆発して、爆発が自分の外側にしろ内側にしろ、悲惨なことになります。

もちろん、社会の中で、自分の内なる欲求をそのままむき出しに生きていくことは出来ません。

しかし、感情を抑えるにしろ、外に出すにせよ、自分の内側の欲求に向き合ったうえで決定することが重要なわけです。

自分の内に欲求があるけど、自分ひとりでは行けていけず、社会と共に歩んでいくしかないから、感情を時には抑え、時には外に出して、周りと調整しながら、自分の欲求を実現していくわけです。

その欲求自体を否定するのは単なる自己否定でしかなく、理性の働きではありませんし、ありのままの自分を認識せずに、うわべだけで対応しても、何の解決にもなりません。

まさに、汝自身を知れです。汝を知ることが「力」なわけです。

裏の意味

このカードの裏の意味は難しいです。少し無理やりになるかもしれません。

理性と本能のバランスを取ることが大事ということですから、その裏側には、自分を正しく認識する必要があるということが言え、逆に言うと、ありのままの自分で行くしかないということです。

自分の中にある欲求を理性で押さえつけて頭でっかちで行動しても、もし本能的に惹かれる要素が無ければうまくいきません。

また、本能全開で前向きに行動すればよいわけでもなく、理性でコントロールしながら、つまり、自分を見つめながら忍耐強くいくしか成功はないということです。

逆の意味

逆の意味は、理性的な部分と本能的な部分のバランスが取れていないということでしょう。

考えすぎているか、衝動的な行動をしているかのどちらかです。また、それらはすべて自分というものを正しく認識できていないことから来ているかもしれません。

まとめ

正位置
理性と本能のバランスが取れている。自分を受け入れた上で前に進んでいる(進んでいける)。もっとも、その分、自分を見つめながらの忍耐強い対応が必要になる。

逆位置
理性と本能バランスがとれておらず、空理空論ないしは衝動的行動でうまくいかない。ありのままの自分が受け入れられておらず、自分に嘘をついている。

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テーマの著者 Anders Norén